"南部鉄器の使用方法"

 鈴木盛久工房は1625年の創業以来、400年16代にわたって南部鉄器の伝統を受け継いでまいりました。
今日でも南部特有の伝統技法により丁寧に製作しております。鉄瓶は正い使い方をすれば、次の世代まで引き継ぐことができますし、使い続けるほど魅力を増してゆく道具です。

− 鉄瓶の使用方法 −

【使い始め】
 鉄瓶はご家庭にあるガス、IHヒーター、電熱調理器など熱源を選びませんが、IHには機種によって反応しない製品もあるようです。平均的な鉄瓶の底面サイズ(10センチ前後)が反応するか事前にご確認ください。また、IHヒーターは強火で使用すると振動が発生し、鉄瓶が割れたりヒビが入る可能性がございます。
 使用の際は中火以下でお使い下さい。先ずはお水を7割ほど入れ、お湯を沸かし、捨てるという作業を1~2回繰り返してください。鉄瓶の内側に残った漆箒のカスなどがなくなり無色透明なお湯になれば飲料することが可能です。その後は鉄瓶を慣らすためにできれば毎日お使いいただくことをお勧めします。


【湯垢について】
 鉄瓶をお使いいただきしばらくすると、鉄瓶の内側に褐色の斑点や白い沈殿物が付着し始めます。これは「湯垢」と呼ばれるもので、水に含まれるカルキや塩素等やミネラルが幾層にも重なって付着したものです。湯垢の沈着は、上記の成分を水から除去し、イオン化された二価鉄と呼ばれる鉄分を溶かし出す交換作用の賜物です。軟水を沸かすと褐色の、硬水を沸かすと白色の湯垢が獲得できます。鉄瓶が美味しい白湯を作ってくれる要因はこの湯垢によるものです。決して錆や汚れではありませんので、擦ったり剥がしたりして落としてはいけません。鉄瓶の内側は触らないようにしましょう。


【日常のお手入れ】
 特に必要なお手入れは何もありません。鉄瓶を使いお湯を沸かしたら、すぐにお茶を淹れたりポットにあけたりして鉄瓶を空にして下さい。そして蓋を開けて瓶敷などに置いて下さい。本体の予熱で水分が気化し乾きます。また、蓋も転がって落としたりすればツマミが折れたりする可能性がありますので蓋置などを使用すると良いでしょう。とにかく使ったらすぐに空にして蓋を開けて乾かす、これだけです。難しいメンテナンスは何も必要ありません。


【よくあるトラブル】
 「水の捨て忘れ」「過剰な空焚き」
この2つが鉄瓶が錆びるほとんどの原因です。
 また、鉄瓶の内側は「酸化皮膜」と呼ばれる皮膜で覆われています。いかなる場合も擦ったり洗剤で洗ったりしないでください。内側の皮膜が破損すると錆の原因となります。鉄瓶の内側は触らない、これが一番大切なことかもしれません。


【保管の仕方】
 できるだけ湿度の低い直射日光の当たらない場所で保管して下さい。布で包んだり桐箱に入れる必要はありません。油が跳ねると取れませんので、調理の際は鉄瓶をコンロから離して保管して下さい。


【修理について】
 錆が出てしまった、鉉がゆるんでしまった、表面が焼けて見た目が悪く直したい、などと何らかの理由で鉄瓶が快適にご使用頂けない場合、初期不良以外は有償にて修理を承ります。(初期不良の対応期間は鉄瓶到着後7日以内)
 トラブルの種類によっては、ご自宅で改善できる方法もございます。何か気になることがございましたらお気軽にお問い合わせください。
 尚、他の工房で作られた鉄瓶の修理は承っておりません。

− 鉄小物の使用方法 −

【日常のお手入れ】

 製品が汚れた際は乾いた布で乾拭き、またはお湯で洗って下さい。その際スポンジ等は使わず手洗いして下さい。洗いましたら移染しても平気な布で押さえるように水分をとり乾かして下さい。水洗い、塩分、油分を避けてご使用ください。


 

使い方、修理等お問い合わせ窓口は下記までお願い致します。

MAIL:info@suzukimorihisa.com
TEL:019-622-3809