南部鉄器 鈴木森久工房

鈴木家は寛永二年(一六二五年)鈴木越前守縫殿家綱が南部家の本国甲州より御用鋳物師として召し抱えられ、仏具、梵鐘などを鋳造して代々藩の御用を勤めて参りました。その後茶の湯釜や鉄瓶の制作も承り、数々の名品を製作してまいりました。中でも十三代盛久は記録作成等の措置を講ずべき無形文化財として、昭和四十九年国の指定を受けました。これは南部鉄器史上唯一無二の名工であった証となりました。又、霰紋南部形鉄瓶(鈴木家十一代喜八製作)は昭和六十年八月八日発売の伝統的工芸品シリーズ記念切手となりました。十四代盛久(鈴木貫爾)は、東京藝術大学美術学部教授を務め、東北新幹線盛岡駅開通の記念モニュメント「フクロウの樹」を製作しました。現当主は十五代盛久(熊谷志衣子)、南部鉄器史上初の女性釜師であり、数々の賞を受賞しております。昭和五十九年有限会社 鈴木盛久工房として法人化し、盛岡の街と共に歩んできた鈴木家は、老舗として伝統の技術を守りつつ、現代生活にもお使いいただける鉄器の製作を続けております。

明治二九年 盛岡市に生まれる
昭和四年  ベルギー・リエージュ万国博覧会美術部門の金賞を受く
昭和二一年 日展入選以降連続入選
昭和二七年 日展出品作「八卦紋独楽釜」特選
昭和三四年 ベルギー、ブリュッセル万国博にてグランプリ受賞
昭和三五年 日展委嘱となる
昭和三六年 花巻温泉松雲閣にて天皇・皇后両陛下御買上の光栄を賜る
昭和四一年 勲六等単光旭日章を賜る
昭和四五年 岩手国体に際し鉄瓶製作の作業を天皇・皇后両陛下御供覧の光栄に浴す
昭和四九年 文化庁より無形文化財の指定を受く
昭和五一年 八十一才で没 勲五等雙光旭日章を賜る

大正 八年 盛岡市に生まれる
昭和一七年 東京美術学校工芸科鋳造卒
昭和三二年 日展出品作「火蛾の踊り」特選
昭和四十年 日展審査員
昭和四五年 東京芸術大学教授
昭和五五年 宮内庁の委嘱による正倉院「花鳥背八角鏡」復元模造完成
昭和五六年 盛岡駅コンコース「フクローの樹」デザイン監修
昭和五六年 六十二歳で没

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